01-営業課
02-組立課
03-設計課
 去年のスケジュールを見ると、海外出張が18回140日くらいで、国内出張が泊まりも入れて20回。海外は例年より多いのですが、相手が海外企業だからと特別なことはやっていません。すべて日常の連続なんですよね。仕事の内容は国内でやっていることと同じ。特別なことといえば、言葉の壁や食、風土、文化の違いくらい。目的は一緒ですからね。とかく海外と思うから大変なんです。もちろん英語ができれば、それは素晴らしいことですが。問題は仕事の中身です。もちろん、プレッシャーや判断スピードが求められるので度胸はいります。しかし、それは仕事の中で培っていくこと。おもしろみの方が勝ります。
 仕事柄、国内外を含めて出張が多く、生活も不規則になりがちですが、そういう状況の中でも、自分の思ったことをやり遂げようといつも思っています。仕事だけでは息が詰まってしまうし、限界を感じてしまう。だからこそ、趣味というか遊びが大切ですね。遊び上手は仕事上手。よりアグレッシブな仕事がこなせるのは、時間を上手く切り替えられる人だと思いますよ。私も多趣味で、山登りや絵を描いたり、木工細工、ログハウス作りなどいろいろ楽しんでいます。山登りは若いころからやっていて、目的をもってやり遂げるその喜びが、ある意味では仕事にも共通しているのかな。
 当社製の専用工作機械で加工するピストンリングは、エンジンの中でも非常に難しい部品です。高温高速高圧の過酷な状況で使われるものだが、その形状は脆弱でデリケート。マーケットが求める低燃費やクリーンなエンジンには、さらなる品質や機能が求められます。かつて厚さが2mmだったものが、どんどん薄くなり将来は0.6mmになるとも。専用機メーカーとしてマーケットの要求に応えていくことが、時代の要求する先端にも関与していくことになります。燃費向上やクリーンな燃焼のために努力すれば、それは間接的に社会に貢献することにもなります。また、他業界のセミナーに参加して、知識を蓄え情報を先取りしたり、F1レースやラリーを観戦して極限のエンジンを体感したり。それら1つ1つが、いずれ仕事のアイデアや刺激にもなるという魅力がありますね。
 私は会社に入ってから、いろいろな部署を転々としました。自分の意図していないところもあり、個人的には大変だなーと感じたこともありましたね。最初から社長になるつもりがあったわけでもないし、設計や営業を目指していたわけでもない。そのつどいわれて違った仕事に取り組んだ。ただ、その時周りの意見を受け入れ、やると決めたら全力を傾注する。その為には時間を惜しまない。能力をつけるには並の働きでは、並の能力にしかならない。とことんやってきたことが印象に残っています。時間というのは自分のためにあるものです。公私共に有効に使わなければもったいないですからね。
 例えば趣味のログハウスを、友達に頼まれて作ったとき、それは全くのオリジナルが形になります。そこには形になる喜びと相手が満足してくれた喜びがある。それは仕事も同じ。さらに、意外な人との出会いがあってプラスになることもあります。チャンスはどこにでもあり、自分からつかむもの。自分から拒否することはしないでほしいですね。あとは、人や周りに流されないポリシーを持つこと。仕事というのは最終的には人と人がやることですから、人間性が問われます。